忌憚(きたん)のないご意見を・・・
今年の節分は2月3日です。
私が子どもの頃は、母が鬼のお面とおかめのお面を手作りしてくれました。
父が、「鬼は外、福は内」と言って豆をまき、お面をかぶった子どもたちがワイワイ言いながら拾って、歳の数だけ食べるというのが習わしでした。
今年も1年、大過なく健康でありますようにとの思いがあふれた行事でした。
最近は、もっぱら恵方巻を食べることが主流になっているのでしょうか?
時代の流れを感じます。
先日、外国の方から日本語の難しさと同時に、言葉の意味を理解することの難しさを言われました。
『忌憚のないご意見をいただきたいと思います』という言い回しは、よく会議の冒頭に使われる言葉です。
それを真に受けて、伝えたいこと(本音)を表現したところ、怪訝そうな表情を向けられたり、その意見を否定されたりという事があったのだそうです。
日本には『本音と建前』という日本人論がありますから、外国でもそのまま『Honne and Tatemae』と表現されているようです。
なかなか外国人には理解されにくいことかもしれませんが、これらのことから日本は嘘をつく世界4位・アジア一番の嘘つきの国にランクインされたとのことです。
建前とは、空気を読むことを美徳とする日本人にとっては処世術とも言えるものなのですね。つまり、表向きの理由を語ることにより自分を守るということでしょうか。
ですから、忌憚のないご意見を ―これも本音ではありませんね― と言われても、決して本音を語らないのが多くの日本人です。
しかし、最近では外国人同様に難しさを感じている若者たちが増えているようです。
なぜなら、言っていることと本心で思っていることが違うために、何を考えているのかが分からないと言うのです。
その事が疑心暗鬼につながってしまう事もあります。
結果、深く関わらないという選択に至るようです。
具体的な出来事の一つに、上司への態度が挙げられます。
上司の前ではニコニコ、尊敬してます~という態度でいるのに、陰では『あのオヤジ、超むかつく!』とくるわけです。
素直で正直に生きている人にとっては、頭を抱えてしまう情景でしょうね。
ところが!
大人の生き方として認められがちなのが、『本音と建前』を上手に使い分ける―――いわゆる処世術を身に着けた人なものですから、またまた頭を抱えてしまうのですね。
そこで、提案です。
相手を出し抜くような言動には賛成できません。
思ってもいないことを口にして相手をいい気持ちにさせ、心では舌を出しているなんて、欺いていますよね。
相手をいい気持ちにさせる等のコントロールではなく、『どんな人の中にもいい所は必ずある』という思いをベースに置いて人に接してみてはどうでしょうか。
過不足なく、自分を表現できると思います。
実は私、若かりし頃に困った同僚の事について、校長に談判に行ったことがあるのです。
熱くなっている私をご覧になりながら、穏やかに次のように言われました。
『市川さん、だれにでも必ずいい所はあるんですよ。』
そして、目は笑ってらっしゃいました。小さい子を見るように・・・。
その後、その同僚は男性ながら、私が顧問を務めるダンス部の副顧問に手を挙げたのでした。大変、お世話になりました((笑)
『縁は異なもの』でございますね