ドロシーからの贈り物
皆さま、こんにちは!
長く続いた猛暑の夏、いかがお過ごしでしたか?
やっと来週あたりから、秋らしい空気を感じることができそうですね。
今日は、教育学者であり子育てや家庭教育について、多くの提言をしてきた
故ドロシー・ロー・ノルト氏についてお伝えします。
ベストセラーとなった「子どもが育つ魔法の言葉」を手にしたのは1999年のことでした。書店の中で、美しい装丁のハードカバーはひときわ目を引く存在でした。
折しも国連は1994年を国際家族年に定めました。家族の重要性を強調し、家族は社会において最も重要な基礎的単位として、人々の関心を呼んだのでした。
現在もファミリー・ヘルス(家族の健康、家族関係の健全さ)の重要性は不易のものです。むしろ、今だからこそ30年前に立ち返ることを痛感します。
氏は、自作の詩「子は親の鏡」の中で大切なことを語りかけてきます。
けなされて育つと、子どもは、人をけなすようになる
とげとげした家庭で育つと、子どもは乱暴になる
不安な気持ちで育てると、子どもも不安になる
「かわいそうな子だ」と言って育てると、子どもは、みじめな気持ちになる
子どもを馬鹿にすると、引っ込み思案な子になる
親が他人を羨んでばかりいると、子どもも人を羨むようになる
叱りつけてばかりいると、子どもは「自分は悪い子なんだ」と思ってしまう
励ましてあげれば、子どもは、自信を持つようになる
広い心で接すれば、キレる子にはならない
誉めてあげれば、子どもは、明るい子に育つ
愛してあげれば、子どもは、人を愛することを学ぶ
認めてあげれば、子どもは、自分が好きになる
見つめてあげれば、子どもは、頑張り屋になる
分かち合うことを教えれば、子どもは、思いやりを学ぶ
親が正直であれば、子どもは、正直であることの大切さを学ぶ
子どもに公平であれば、子どもは、正義感のある子に育つ
やさしく、思いやりをもって育てれば、子どもは、やさしい子に育つ
守ってあげれば、子どもは、強い子に育つ
和気あいあいとした家庭で育てば、
子どもは、この世の中はいいところだと思えるようになる
ドロシー・ロー・ノルト
私は、40代の半ばころにこの詩を読み、全身から血の気が引く感覚を体験しました。
できていないことが幾つもあり、母親としての私よりも職業人としての私を優先していることが、白日の下にさらされるような思いでした。
ですから、この詩を読んだ後に、自分を責めてしまう方がいらっしゃるかもしれません。以前の私のように・・・。
しかし、皆さん、人生捨てたもんじゃありません!
私たち人間にとって、「完璧」ということはありませんし、私たちは潜在的な生き物ですから、可能性は幾つになっても期待できます。
仮に、自分自身に失望はしても最強の助けがあります。それは、立ち直る力(レジリエンス)です。希望を捨てさえしなければ!
この詩に出会ってから、子育てセミナーや幼稚園、小・中学校の家庭教育学級等で幾度となくご紹介させていただいています。夏休みには、幼稚園児の保護者の方と「希望とレジリエンス」を足場に据えて、「子は親の鏡」について語り合いました。
祈りと喜びと感謝とともに・・・市川美紀子